ドイツ暮らし保育士お母さんの気づき

ドイツで暮らしている2人の男の子のお母さん&保育士です。海外生活で起こる(かもしれない)ことや親子の会話をサクッと読める記事にしています。育児や保育に関すること、趣味の日本語研究と人間観察なども...

兄弟間の会話は何語?バイリンガル教育の落とし穴 

こんにちは。だいみにです。

3年前からドイツで暮らしている16歳と10歳の男の子のお母さんです。

補習校の年長さんで担任をしています。

今日はバイリンガル教育について書きたいと思います。

 

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長男はインターナショナルスクールで英語、次男はドイツの学校でドイツ語を使っています。現在はロックダウン中でオンライン授業。左の部屋から英語、右の部屋からはドイツ語が聞こえ、休み時間になると子供たちは「おなかすいたー」と日本語で飛び出してきます。

兄弟が違う第二言語を使っていることは、母語である日本語保持の観点からいうと好都合であると感じます。家では日本語を使うのがいちばん手っ取り早いからです。
 

外国で暮らしている親の多くは、子供に母語を使い続けてほしいと懇願しています。たくさんの子どもたちが補習校に通っていることからもそれが伺えます。しかし週1回、補習校に行っているからといって、日本語を保持できるわけではありません。

子供は1日の大半を学校で過ごします。そのため現地の言葉を使うことに慣れ、小さい頃は日本語を話していたとしても、次第に家でも現地語で話すようになってきます。言葉はコミュニケーションの道具であるため、使いやすい道具を選ぶのは当然なのです。
 

長男が11歳、次男が5歳の頃、私たちはカナダに住んでいました。家では日本語で話すというきまりを作っていたのですが、少しずつ英語が混ざりはじめ兄弟間でも英語で話し始めました。

もしずっとカナダに住んでいたとしたら....。
彼らの行く末を教えてくれた日本人の女性がいました。日本人家庭で育った彼女は、7歳の頃家族で日本からかカナダに移住しました。家族や兄弟間の会話が、成長するにつれ日本語から英語となり大人になると日本語が話せなくなっていたそうです。

そんな彼女の言った言葉が忘れられません。「わたしのアイデンティがどこにあるのかいつも悩んでいる。日本人なのに日本語が話せない自分は一体なに人なのか」

 

小学生以下の子供が母語を保持できるかどうかは、ある意味親次第であるように思います。家での会話をかたくなに日本語にし、子供の日本語の勉強をどんなことがあっても応援し続けない限り、子供のモチベーションを保つことは難しいことだと思います。

補習校で仕事をしていると、そんな親子の葛藤をいくつも目にしてきました。漢字に挫折し、そして諦めてしまった子供たちも...。

2言語を同時進行で習得することは一筋縄ではいきません。
だからと言って、カナダで出会った日本人女性のことを思うと、私は諦めるわけにはいきません。親として、日本人としてこれからも子供たちを応援し続けたいと思います。それが彼らの人生に役立つことだと信じているからです。

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