ドイツ暮らし保育士お母さんの気づき

ドイツで暮らしている2人の男の子のお母さん&保育士です。海外生活で起こる(かもしれない)ことや親子の会話をサクッと読める記事にしています。育児や保育に関すること、趣味の日本語研究と人間観察なども...

by保育士 子供が家の中のボスに! 一人っ子家庭でありがちな悩み

こんにちは。だいみにです。

ドイツで暮らしている16歳と10歳の男の子の保育士お母さんです。

保育士をしていると親御さんから相談されることがあります。

「子供が頑固で、どう対応したらいいかわかりません。」

基本的に家では自由が一番なのですが、ダメなことの伝えかたに悩まれている一人っ子家庭の親御さんに出会うことがあります。
 

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園におもちゃを持ってくるようになった年長さんクラスのBくん。

親御さんにお伝えしたところ「どうしても持って行くと言って聞かないんです。何度もダメだよって話しているんですが。」という返答がありました。
 

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毎日遅れて登園してくるようになった年長さんクラスのFちゃん。

親御さんに理由を聞いてみると 「朝のお話タイムだけがどうしても嫌いで行きたくないと言うのです。小学校になったらこんなこと言ってられないんだよと話しているのですが。」との返答がありました。
 

お家できちんと話し合いはできているようなのですが、親の話が子供に全く伝わっていないのはなぜでしょうか。

それは家庭内で、子供の権力が強くなりすぎているからです。子供が自分を王様やお姫様と勘違いしてしまうと、親よりも権力があると思い込んでしまうのです。子供はどんどんわがままになり、家の中だけでなく外の世界でも我慢や辛抱ができなくなります。そして成長するにつれて親の手に負えなくなってしまい、最終的には子供に怯えている親もいるくらいです。
 

親は家の中で一番強い存在でないといけません。もちろんいつもは優しくていいんです。家では親も子もリラックスできることが一番です。しかし譲れない時だけは、親は何がなんでもダメなんだというビシッとした態度をとることが肝心です。予め矛盾のないように家の中での常識を決めておくとよいでしょう。日によってよかったり、だめだったりすると子供は混乱します。

例えば園におもちゃを持って行くBくんには、「今日だけよ」ではなく、初めから「おもちゃは持って行ってはいけないもの」と話しておくといいでしょう。
おはなし遊びを欠席するFちゃんにも、「今日だけよ」ではなく、初めから決まった時間に行くことを当たり前にしておくべきです。
子供が自分では選べないこと、決められないことだと認識させておくのです。

「今日だけよ」という親の言葉は、子供にはやってもいいことだと理解されています。子供の言うことを聞いてあげたい一心で「今日だけよ」と言ってしまう気持ちはわかりますが、ここは心を鬼にしてダメなことはダメだとしっかり教えてあげてほしいと思います。

コロナ禍で家での時間が長くなると、兄弟に揉まれることのない一人っ子の子供は家庭の中で大人の中で過ごす時間が長くなります。子供だからしょうがないという思いで、なんでも子供の思い通りにさせてあげるのはNGです。子供が自分のことを王様やお姫様だと勘違いする前に、ほんとうにダメなことは「今日だけよ」と言わず、毅然とした態度でダメだと教えてあげてください。