ドイツ暮らし保育士お母さんの気づき

ドイツで暮らしている2人の男の子のお母さん&保育士です。海外生活で起こる(かもしれない)ことや親子の会話をサクッと読める記事にしています。育児や保育に関すること、趣味の日本語研究と人間観察なども...

「なぜ勉強をしないといけないのか」思春期の子供をもつ親の心得とは

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

 

こんにちは。だいみにです。

大人なんだから「大人の対応をしないと」と思うあまり失敗したことがあります。
 

子供から投げかけられる質問は、時には難問中の難問だったりします。
「なんで勉強しないといけないの?」という質問は、私にとっては「どうして海は青いの?」と同じくらい難問でした。

ドイツのインターナショナルスクールに通う16歳の長男は、勉強が難しくなってきた上、英語の弱さもあり壁にぶつかっていました。

「なんで勉強しないといけないの? こんな大変なことして意味あるのかな。」と言われた私は、大人として明確な答えをしないといけないと思い意気込みました。
しかし、考えれば考えるほど答えを見つけられずにいました。

いい大学に行くため? 
大人になって困らないため?
立派な大人になるため?
お金を稼ぐため?
やりたい仕事を見つけるため?
独立して生活するため?

自分でもわからないのに答えられるはずがありません。かといって「わからない」わけにもいけません。私は一生懸命、真面目に息子と向き合って答えを探していました。

でも息子は「お母さんはぼくのことちゃんと考えてくれてない。」と失望し怒り出しました。

私は息子の様子を見てはっとしました。
2時間に及ぶ話し合いの末、やっと答えが見つけられない理由がわかったのです。
私は大人の立場で、子供を納得させる答えを探していることに気づきました。私がしていること自体が間違っていたのです。
「なんで勉強しないといけないの?」は答えのある質問ではなく、勉強が大変なことや将来が不安なことを私にわかってほしいという合図だったのです。

息子が求めていたものは共感でした。

それがわかってからやっと、私は自分が高校生のときに感じていたことや、将来に対してまだ何も考えていなかったことを話しました。昔の自分より息子のほうがずいぶんしっかりしていると感じていることも。

息子の表情はみるみる明るくなりました。
迷宮入りかと思われた難問の答えは実は「答え」ではなかったのです。

思春期の子供との会話は、大人の意見の押し付けであってはいけないと痛感しました。大人も子供の年齢に戻って友達として話すと、同じ目線で会話することができ、子供が本当に知りたいことがわかるような気がします。

共感の部分がなければ、いくら子供のことを一生懸命考えていても、子供と時間をかけて会話しても、ただそれは親の自己満足にすぎません。子供にとっては、ありがた迷惑以外の何者でもありません。

子育ては、子供が高校生になってもまだまだ手探りで未知の世界です。だからこそ探していた何かを見つけたときの感動は絶大です!

「子育て」という問題は、時には大人の考え方では解けないことがあるんですね。

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